最近、
『LOGICAL THINKING 実践!ロジカルシンキング研修 著:坂本 健』
という本を読んでいます。
先日ご紹介した「TIME MANAGEMENT 実践!タイムマネジメント研修」の続編みたいですね。
このシリーズ、分かりやすくて本当に面白いです!!
実際に研修を受けている気分になるので、大変勉強になりますし、会話文が多いので、すいすい読めます。
そしてKindle Unlimitedなので、プライム会員の私は無料で読めるのがありがたい。
まだ読み終わっていないので、まとめ記事は後日書きたいと思っていますが、その中で出てきた"帰納法"(きのうほう)と"演繹法"(えんえきほう)という思考プロセスが、私にとっては目からうろこの考え方だったので、ご紹介したいと思います。
辞書的な意味
コトバンクでは、帰納法、演繹法について、それぞれ次のように説明されています。
帰納法:類似の事例をもとにして、一般的法則や原理を導き出す推論法のこと。
演繹法:前提となる事柄をもとに、そこから確実に言える結論を導き出す推論法のこと。
帰納法と演繹法について、言葉だけであれば私も知っていたのですが、もうこの説明だけでギブアップしてました。。。
ぶっちゃけわかりづらいですよね??
これだけ読んで敬遠している方、結構いらっしゃるのではないかと思います。
帰納法・演繹法の相当分かりやすい例
その苦手意識が一瞬にしてぶっ飛んだのが、本書にある次の例です。
まず帰納法からいきましょう!
帰納法
マナーを例に書かれているのですが、これが非常に分かりやすい!
例えば、新入社員のAくん。
Aくんは、上司から、髪型を注意された。
服装の乱れを注意された。
靴の汚れを注意された。
これらを集約して考えると、
つまり、
Aくんはマナーが身についていないのではないか?
という思考プロセス。
これが帰納法です!
本書の言葉を借りて、もっとどの例にも通用する言い方で説明すると・・・
まず、異なる複数の情報があります。
この例でいくと、"髪型を注意された"、"服装の乱れを注意された"、"靴の汚れを注意された"、にあたる部分ですね。
これらに共通している事項を探します。
うーん、全部、マナーに通じることだな・・・みたいな感じですね。
これを、ちょっとかっこつけた言い方に変えると、
"共通項をもとに一般化した言葉に置き換えて言語化する"
となります。
これを、今度は一言に置き換えると、『つまり』という言葉があてはまります。
つまり、マナーが身についていない。
どうですか?めっちゃ分かりやすくないですか?
ただ、これ読んだとき、なんだ簡単じゃんって思いますよね。
ただ、案外できていないのかもと気づかされるのが、次の例。
同じく新入社員のAくん。
上司から髪型を注意された。
⇒きちんと直す。
その翌日、今度は別の先輩から服装の乱れを注意された。シワだらけだぞ、アイロンをかけてこい!
⇒翌日きちんとアイロンをかけてくる。
今度は、靴を磨いてこい、と注意される。
⇒翌日靴をきちんと磨いてくる。
こんな風に、同じようなことをいつまでも繰り返し注意され、
「あいつは言われたことしかやらない!」
と言われてしまう。
もし帰納法という思考法が身についていたら、最初に髪型を注意され、服装を注意された時点で、言われたこと以外に自分が直さなければならないことがあるのではないか?という思考に繋がるはずなのです。
依頼や要望を受けたときも同じです。
個々の依頼や要望に応えるだけでなく、それを帰納法でまとめ、+αを提案する。
不良品やミスが出たら、傾向を探って、根本の解決を図り、似たような問題が起きないようにする。
うーん、確かに私もできているか自信がない。。。
ちゃんと1言われて10を知る、ということをやっていかないとなと思いました。
演繹法
これ文字面からして難しいですよね~。
でも、これもまた本書の中で超!分かりやすく説明がありました。
再度Aくんに登場してもらいましょう!
Aくんはマナーが悪い。
挨拶もマナーだ。
だから、Aくんは挨拶もしないはずだ。
こういう考え方を、演繹法と言います。
これを式で表すと、以下のようになります。
A=B, B=Cであれば、A=C
A:Aくん
B:マナーが悪い
C:挨拶をしない
すっきりしていて、分かりやすいですよね!
こちらは、先ほどの帰納法が、解決策を導き出す思考方法であったのに対し、答えが正しいのかを検証する、という目的で多く使われる思考法のようです。
なんだか私たち、無意識にこういう考え方はしていそうですよね。
ただ、問題なのは、"なんちゃって演繹法"という思考プロセスが癖になっていると、間違いやその原因に気づかないということ。
これも、あらゆる会社で実際に発生していそうな例が書かれていました。
『わが社の残業は多すぎる。他社ではノー残業デーを導入していると聞く。
わが社もノー残業デーを導入して残業を削減しよう!』
このように、一見ロジカルに見える案が出てきたら、この構成要素を『根拠』と『結論』に分けて考えてみます。
【根拠】
わが社=残業が多い
他社=ノー残業デー導入
他社=残業減少
【結論】
わが社もノー残業デー導入=残業が減る
ここで、私たちは、この根拠と結論はつながらないことに気づかないといけません。
この根拠だけでは不足しています。
では、どんな条件が加われば、この式が成り立つでしょうか?
それは・・・
他社残業要因=わが社残業要因
これが加わって、初めてこの式が成り立つのです。
な、なるほど・・!とこれ読んだとき、かなり納得しました。
この条件なしに考えている例が、私の会社でもプライベートでも発生していそうな・・・。
例えば、
『私の夫は帰りが遅い。帰りが遅いということは、仕事が遅いんだと思う。ということは、私の夫は仕事が遅いんだ!』
みたいな。
この場合、根拠と結論はこうですね。
【根拠】
私の夫=帰りが遅い
仕事が遅い=帰りが遅い
【結論】
私の夫=仕事が遅い
こんなつなげ方したら、私の夫、かわいそうですよね。笑
もっといろんな条件が追加されないと、この式は成り立ちません。
対して深く考えもしないまま、こういった思考の罠に陥っていることは、割と日常で発生していそうだな、気をつけなきゃなと思いました。。。
まとめ
今回は、『LOGICAL THINKING』より、帰納法と演繹法について、その思考プロセスをご紹介しました。
帰納法も演繹法も、何か大きな問題を見つけたときだけでなく、日常的に使える思考法です。
というよりは、日常的に使って、この思考プロセスを繰り返し練習しないと、いざ大きな問題が起きた時に、立ち向かうことができません。
これまでいかに自分の考えが浅かったか思い知ったので、思考停止が起こらないよう、日頃から気を付けようと思います。
冒頭で述べたとおり、これは本の中のほんの一部に過ぎないので、別の章についてはまた違う機会に書きたいと思います!
おわり。