先日、友人夫妻から10月にキャンプに行かないかとお誘いがありました。
元々キャンプにとても興味があったのと、その夫妻がキャンパーでベテランだということで、これは安心して楽しめると思い、即OK。
ところが、その数日後、母から連絡があり、両親+弟で温泉に行くから、そのとき時間を合わせて私たち夫婦と一緒にご飯に行きたい、というようなことを言ってきました。
ただ、そのタイミングが、ちょうどキャンプの日程付近だったので、事情を話して残念ながら今回は断念することに。
キャンプのお誘いをOKしたことを後悔しているわけではありませんが、あのときOKと言ったばかりに、普段しょっちゅう会えるわけではない両親との予定をキャンセルせざるを得なくなったわけです。
このように、過去の気軽な"イエス"が、未来の"ノー"を生み出した経験、ありませんか?
昨日、私が読んだ『1440分の使い方』-ケビン・クルーズ著-の中で、まさにこの話が出てきました。
今回は、多忙でもっと時間が欲しい人は、「ノー」と言えるだけで時間がを生み出せるということ、そして、成功する人ほど「ノー」と言える勇気やノウハウを持っているということを、『1440分の使い方』からご紹介したいと思います。
1日は1440分しかない!
普段意識している人がどれぐらいいるのかは分かりませんが、人には皆平等に1日1440分の時間が与えられています。
仮にあなたの財布に1440円入っていて、誰かが「ちょっと100円取っていっていいですか?」と聞いてきたとします。
理由もなく取っていこうものなら、あなたはきっと、
「何を考えているんだ!ダメに決まっている!」
と慌てて答えるでしょう。
では、今度はあなたの友人から、
「ちょっと飲みたい気分なんだ。今日2時間ぐらい付き合ってよ」
と言われたとします。
ふむ、特に予定もないしな・・・まぁ正直めんどくさいけど、断るほどの理由もないしな・・・。
「いいよ、じゃあ今日の18時に!」
これで、あなたは今日の18時からの2時間を失うことになります。
この2時間が、あなたにとって、何か目的があるのなら何も問題ありません。
ただ、この"イエス"が、なんとなく、とか、嫌われたくないから、とか、そういった思いから発生したものであれば、これは実質2時間奪い去られたのと同じです。
「120円ちょーだいね!特に意味はないけど!」
「はいよ!どーぞ持って行って!」
と言っているのと同じことなのです。
「ノー」の効果はすでに証明されている!
『1440分の使い方』の中で、さまざまな著名人や研究がこの「ノー」と言うことの大事さについて言及しています。
「一点集中とは『ノー』と言うことだ」
ースティーブ・ジョブズー(アップル創業者)
「成功した人と大成功した人の違いは何か。大成功したい人は、ほぼすべてのことに『ノー』と言う」
ーウォーレン・バフェット(大富豪投資家)
「時間をくれという依頼を日常的に断っている人のほうが、自己申告による幸福感と気力が高い」
(ザ・クルーズ・グループによる2015年の研究より)
「『何がなんでもイエス!』でないものには『ノー!』と言うことだ」
ージェイムズ・アルタチャー(ベストセラー作家)
これだけの成功者が言っているというだけで、この「ノーと言うこと」がどれだけ重要で効果があることかが分かりますね。
ノーと言うだけで、時間を奪われることを防ぎ、スケジュールの空きを確保することができるのです。
その時間は、自分で中身を決められる、極めて能動的な時間になります。
「本当は英語の勉強したいんだけどな・・・。」
「子どもたちと過ごす時間が欲しいんだけどな・・・。」
このような、多忙な日々で泣く泣く先送りにしている予定があるのであれば、どんどん「ノー」を言うことで空き時間を確保し、実行に移していきましょう!
ノーと言うことの難しさ
そうは言っても、人からせっかく誘ってもらったのに、そして予定もあいているのに断るのは、とても気が引けますよね。
私は入社当時、さまざまな部署の方から毎晩のように飲みに誘われ、新入社員だから断ってはまずいと思い、すべて受け入れていました。
その結果、10キロ近く太ってしまい、肌も荒れ、睡眠時間も削られ、次の日の仕事に支障が出ることも多々ありました。
今思えば、円滑なコミュニケショーションという目的を考えると、過去参加した内の20%ぐらいに参加しておけば十分だったかなと思っています。
あのとき私がノーと言えなかった理由は、本の中で出てきた理由ばかりでした。
・相手を怒らせたくない
・人から好かれたい
・無礼な人間にはなりたくない
などなど。。。
過剰に人のことを考えすぎると、うまく身動きできなくなるということを、身をもって体験できたのは、良い経験だったと思います。
今なら、あのときの自分にこう言いたいですね。
「罪悪感なんてくそくらえだ!もっと自分を、そして自分の時間を大切にしてくれー!」
ノーを伝える5つの方法(RumAバージョン)
本の中では、この方法として7つ書かれていますが、売れっ子著者の目線で書かれていて、正直一般人向けではないので、凡人代表の私が実際使っている方法を代わりにご紹介したいと思います。
会社編
①「今日はちょっと厳しいので、〇日の〇時から、〇分間でどうでしょうか。」
当日いきなり会議を入れられそうなときに使う手法です。
そもそもいきなりやる時点で、準備もアジェンダもない、無意味な会議になる可能性が高い会議なので、主導権をこちらが握り、なるべく無駄な時間が発生しないよう誘導するのです。
いきなり、「それは意味のない会議になりそうなので、メールで済ませましょう」なんて言うと、角が立つので、いったんワンクッション置くのです。
そうすると、当日までにお互いが考えをまとめられるので、会議は短時間で済みますし、場合によっては、次の日に、「やっぱり解決したからもう大丈夫!」なんて言われることも多々あります。
②「こちらで上司とも相談の上、前向きな方向で考えることになったときに、私からご連絡差し上げます。」
これは、業者からの営業電話・メールに対してよく使う手法です。
「〇〇についてご説明したいので、お電話で30分程お話できませんか。」
「オンラインで良いので、1時間程お時間いただけないでしょうか。」
このような打診にいちいち対応していたら、時間がいくらあっても足りません。
これも①と同様、主導権をこちらが握ります。
そして、自分に最終決定の権限がないことを遠回しに伝え、更に、もうそちらからは連絡しないでほしいというメッセージを込めています。
たいていはめげずに再度連絡が来ますが、連絡が来る頻度は確実に減ります。
③「ぜひ行きたいのですが、今日中に使い切りたい食材があるので帰ります。」
これは、私が以前ならホイホイ受けていた飲みの誘いを断りたいときの、最近の常套句です。笑
こう言えば、「なんだそりゃ」と言われることもありますが、特に気まずい空気になることもなく、私の場合あっさり帰してもらえます。
プライベート編
④「その日はすでに予定があるからごめんね」
あまり行きたいと思えない遊びの誘いには、この一言で十分です。
そこから更に深くつっこんでくる人は、幸いにも私の周りにはいないので、これで完了です。
ただ、もし「え、なんの予定?」とつっこまれるようであれば、「ちょっと家庭の事情でね・・・」なんて濁しておけば大丈夫でしょう。
⑤「今月はもうお金がなくて」
給料日すぐ後だとなかなか厳しいかもしれませんが、それ以外であれば、これは意外と有効です。
下手したら自分が奢る羽目になるので、大体の人は引き下がってくれます。
ただ、たまに「それなら奢るよ!(貸すよ!)」と言われるときもあるので、そのときは、ひたすら「それは申し訳ないから絶対だめ!」と強気で断っています。
「ノー」を言う基準
本の中では、「当面の目標達成に役立たない誘いは、すべて断る。」と書いてあります。
要は、自分の成長や成功に貢献しないものに、時間を投資すべきではないということです。
そういう意味だと、自分自身の中でも、「ノー」と言えることが出てくるかもしれませんね。
例えば、何か勉強したいことがあるときに、自分の中の小悪魔が、「勉強の前にちょっとだけゲームをやっちゃおうぜ」と言ってきたとき。
大体この"ちょっとだけ"は"ちょっとだけ"じゃすまないことが多いものです。
この誘惑に対して、断固とした意思を持って、「ノー」と言えるか。
自分自身の中で、ぶれない価値観を持っておくことが、非常に重要だと思います。
まとめ
今回は、自分時間を確保し、成功していくために必要な「ノー」について、ご紹介しました。
最初は勇気がいるかもしれませんが、自分も周囲も慣れてくると、この言葉は絶大な効果を発揮してきます。
かつてはイエスマンだった私も、今では本当に意味があると思えるものに時間を割くことができるようになってきました。
自己啓発もそうですし、その他にも、趣味であったり、大事な人たちとの時間であったり、自分なりの価値観にしたがって"イエス"を出すようにしています。
もし、言えるものすべてにノーと言って、それでも自分時間が確保できないという方がいらっしゃれば、それは環境に問題があるのではないかと思います。
可能であれば、そこから変えてみてください。
毎日忙しくてしんどい、つらい、そんな方たちが罪悪感に打ち勝ち、自分のための時間を確保できるようになることを、心から祈っています。
おわり。